食に関する仕事につき物が殺生である。野菜などにもこだわっているが、植物は何も言わないのでよい。
しかしお肉料理やお魚はやはりちょっと違う。美味しい料理には鮮度を追求するため、いわゆる活もののみを使用している。何でもそのままからスタートするので仕込みは大変だがすべてはより美味しいものをつくるためだ。

先週は10キロ以上あるヒラメが入った。こんなにおっきなのははじめてだった。しかも朝獲った後そのままいけすで生かしてくれているので〆てもなかなかおとなしくならず大暴れでたいへんだった。

もっと大変なのは活きのいいたこは手に巻きついてきたらなかなか脱出できない。あいては足が八本あるから。そんなときはシニョーラにも手をかしてもらって4本で対抗する。今週は5キロのオオダコがはいってきたがまかれずにすんでほっとした。海の生物はまだかわいい。山の主たちはもっとすごい。一度糸島でいのししをさばくところを見せてもらったがすごかった。当店でいただくときは大体皮もはいでモツも処理した状態でくるがそうなるまでの大変さを改めて見て知った。今年は3年前から入荷したらお願い、と予約をしていた、山しぎが入荷した。

くちばしが長くそんなに大きな鳥ではないが、味は野鳥の中では一番とか。子供のときに実家で飛んでいたのを見たが、最近はまったく見ていない。自然環境を守り、美味しい料理を作り続けたい。